元気丸で行こう!

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食の安全 第2回

野生動物は自分で見分ける。でも、富士丸は守ってやらねば!

穴澤:「食の安全」というテーマからは、ちょっとズレてしまうかもしれないんですが、ボクが常々不思議だと思っていることがあるんですよ。

藤田:どんなこと?

穴澤:毎朝、富士丸の散歩で近所を歩いているんですけど、たまにカラスがゴミ箱をあさっていたりするわけですよ。で、どう見ても腐ってる生ゴミなんかを食べてるんですね。どうして、カラスはあんなの食べて平気なんですか?

藤田:あれは人間が納豆食べているのと同じようなところがあって、腐ってても毒素が組織に侵入しなければ、逆に身体にいいことだってある。

穴澤:あの生ゴミが? 絶対食べたくないですけど(笑)。

藤田:納豆もぬか漬けも味噌なんかも「発酵」させてるでしょう? 「腐る」というのは身体に悪いときに使う言葉で、身体にいいときはそれを「発酵」というんだよね。

穴澤:人間は生ゴミが発酵してるとはいいませんからね(笑)。

藤田:生ゴミって、「腐っている」のか「発酵している」のか、人間にはわかんないよね。実際に食べてお腹壊すまで(笑)。でも、カラスなんかは食べる前から、それがわかるんだろうね。食べていいものか、そうじゃないのかということが。

穴澤:それって、すごい能力ですよね。

藤田:だけど、自然界で暮らしているどうぶつは、みんなそれぐらいわかるんだと思うよ。

穴澤:富士丸は絶対わからなそうですけどね(笑)。

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藤田:それはほら、犬はもう人間と暮らして長いから。近ごろの犬は、人がくれるものは全部安全だと思っているでしょう。

穴澤:確かに(笑)。やっぱり犬もどんどん鈍感になっていってるんでしょうね。

藤田:でしょうねぇ。それがいけないのかどうかは置いておいて、自分で食べていいものか、そうじゃないものか見極める力というのは衰えてきているでしょうね。

穴澤:ところで、「腐ったもの」を食べたときに起こす「食中毒」というのがあるでしょう。あれって、どういう現象が起きてるんですか?

藤田:食中毒原因菌が食中毒症状を引き起こす仕組みには3つあるんです。
①は、細菌が付いた食品を口にして、細菌が腸管内で増殖、組織を破壊する「感染侵入型」、
②は、食品内で先に細菌が増殖していて、その毒素を口にしてしまう「生体外毒素型」。
この2つが腐ったものを食べたときに起きる食中毒。そして、もう1つ、
③として、菌が腸管の中で作り出した毒素による「感染毒素型」があります。
有名なのは、1ではサルモネラ属菌、2ではコレラ菌やボツリヌス菌で、コレラ毒やボツリヌス毒を出す。3では、病原性大腸菌O-157。

穴澤:それらが体内に入ると、嘔吐(おうと)したり下痢したりするんですね。それって、必死に身体から菌を出そうとしているからなんですか?

藤田:そうそう。早く体内から毒を出そうとしているんですよ。

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穴澤:卵が腐っても、牡蠣(かき)が腐っても、だいたい傷んだ物を食べると食中毒になるじゃないですか。食べ物によって、その毒素は違うんですか?

藤田:そうですね。食品それぞれに、いろいろな毒素を出す細菌がいるんです。

穴澤:なるほど。だから「牡蠣があたると怖い」ように、食べ物によって症状や程度が違うわけですね。

藤田:そうです。野菜なんかは、あんまり怖い毒素を出す菌が付いていないんですよ。

穴澤:なんとなく近ごろの日本人って食中毒になりやすい気がするんですけど、実際、たとえばインドネシアの人たちはどうなんですか? 集団食中毒、みたいなニュースはあるんですか?

藤田:ほとんど聞かないね(笑)。腸内細菌がちゃんとあれば、悪い細菌なんか追い出しちゃうから。

穴澤:腸内細菌。「ウンチと微生物」のときに出てきましたね。

藤田:腸内細菌は、防衛隊みたいなものだから、ちゃんともっていたら細菌が毒素を出す前に追い出しちゃうんです。毒素が既にいっぱい出ちゃってる細菌だったらダメだけど、出す前の段階で身体の中で毒素を出そう、増えようとしても抑えちゃうんです。

穴澤:少し前に大問題になった「O-157」も、本来は弱い菌だと「ウンチと微生物 第2回」で話しましたしね。

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藤田:そう。あのとき、同じ物食べても平気な人が多かったということも話しましたね。

穴澤:そうでした。ところで、食中毒とは別に、お腹壊すこともあるじゃないですか。たとえば牛乳を飲んだら、すぐお腹がゴロゴロするとか。あれはなぜなんですか?

藤田:日本人には乳糖を分解・消化する酵素をもっていない人が多いんですよ。その酵素をもっている人は、日本人の2割以下だといわれているね。

穴澤:そうなんですか? でも、学校給食で毎日必ず出てきてました(苦笑)。考え方は、お酒でいうところの「下戸(げこ)」と同じですか?

藤田:同じですよ。なので、無理に牛乳を飲まなくてもいいんです。ただ、発酵すると非常に消化されやすい。だから、チーズとかヨーグルトは大丈夫なんですよ。

穴澤:その消化酵素ですけど、もっているかもっていないかは牛乳を飲んでみればわかるということですね? 飲んですぐお腹壊すようならもっていないと。

藤田:簡単にいうと、そういうことですね。

穴澤:犬はどうなんでしょう。牛乳の乳糖を分解する酵素をもっているんですか?

藤田:ほとんどないだろうね。だって、自然界にいれば、犬が牛乳を飲むことなんてないわけだから(笑)。人が飲ませたんであって。

穴澤:あ、確かにそうですよね。

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藤田:牛乳っていうのは、牛の赤ちゃんを育てるために一番いいようにできている。犬には犬のお母さんが出す乳が一番いいわけですよ。人を含めて、どうぶつは自分の赤ちゃんを育てるのに一番いい乳が出るようになっているんです。

穴澤:そういわれてみれば、本来の牛乳の役割ってそうですよね。牛の赤ちゃんが飲むものですもんね。

藤田:だから、牛の赤ちゃんはもちろん牛乳を飲んでもお腹なんか壊しませんよ。

穴澤:富士丸はなぜかヨーグルトが大好きですけどね(笑)。

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藤田:発酵すると、成分は変わりますからね。乳糖が2~3割分解され、たんぱく質も一部分解されて吸収しやすくなってるんですよ。でも、あげる量には気をつけてあげたほうがいいですね。

穴澤:なるほど。よくわかりました。では、次回は今世間を騒がせている出来事などについて、教授の意見を聞かせてください。




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2月のテーマは「免疫力とアレルギー(2)」。
昨年9月の対談で大反響を呼んだ、このテーマ
花粉の時期、そして、年度変わりの環境変化の時期を前に、
さらに突っ込んだ話を展開していきたいと思います。
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