元気丸で行こう!

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水とカラダのめぐり 第2回

涙って、脳を守ってるんですね。すごい!(涙)

穴澤:第1回の話で少し気になっていることがあるんですが、のどの渇きを感じたり、浸透圧を管理していたりって、いったいどこでやってるんですか?

藤田:浸透圧を管理しているのは、脳の視床下部*にある「浸透圧レセプター」ってところですよ。
*視床下部:大脳の一部である間脳の中にあり、自律機能の調節を行う総合中枢。

穴澤:その浸透圧レセプターっていうのは、随時、体の中の浸透圧を監視して把握してるということなんですか?

藤田:そうですよ。浸透圧というは生死に関わる問題ですからね。

穴澤:では、のどの渇きを感じるのは?

藤田:心臓の左心房にある「ボリュームレセプター」というところで管理してるんです。そこでは文字どおりボリューム、つまり体内の液体の量を監視しているんです。

穴澤:で、水分が少なくなってくると、脳にそれを伝えて「水、飲みたい」と感じるわけですね。体って、いちいちすごいことしてますよね。

藤田:ほかにもいろいろなセンサーがあるんですよ。とくに脳は本当に活発に動いていますからね。

穴澤:犬にも浸透圧レセプターはあるんですか?

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藤田:もちろんありますよ!

穴澤:たしか、人体の中では、脳が一番水分量が多いんですよね? 

藤田:そう。脳というのは、やっぱり新陳代謝が非常に大切だから。水分がいろいろな代謝を促しているんだろうね。

穴澤:そういえば、教授の本の中に「目は脳の一部が直接外部に触れているようなものだ」というフレーズがあったんですが、それってどういうことですか?

藤田:実際、脳の一部が飛び出ているのが目だからね。脳と、こう、ビヨーンとつながってて。

穴澤:あ、そうだ。そういう図解を見たことあります!

藤田:大切な部分だから、涙で殺菌しているわけですよ。変な菌に感染すると、直接脳に行っちゃうから。

穴澤:涙って優秀なんですね。ばい菌がいる所に涙を1滴ぽちゃんと垂らしたら、やっつけちゃうんですよね。

藤田:やっつけちゃいますよ。それに、まばたきによって瞬時に膜を作るし。目は免疫的にいえば一番弱いところだから、涙で守っているんですよ。

穴澤:免疫的に弱いとは、どういうことですか?

藤田:抗体が一番来ないところなんです。だから、人間に間違って入っちゃった寄生虫も、最後には目に来るんですよ。

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穴澤:それ、聞いたことあります。イヌカイチュウとかですよね。

藤田:そうそう。それ以外でも間違って人体に入っちゃった寄生虫で何とか生き延びたのは最終的に目に来ますね。ほかの所だと、抗体にやられちゃうから。

穴澤:あいつら、どうして目に抗体が来ないってわかるんでしょうね?

藤田:どうしてだろうね。逃げて逃げてどんどん追いやられて、たどり着くんじゃない?

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穴澤:どうやって目の中に侵入するんですか?

藤田:血管から入っちゃうんですよ。

穴澤:目に入った寄生虫って、のぞき込むと見えるらしいですよね。

藤田:まぁ、それほど頻繁に起こることじゃないですけどね。

穴澤:あと、涙腺があるのは陸上の生物だけなんですってね?

藤田:そうですよ。カエルだって、おたまじゃくしのときは涙腺がなくて、カエルになると涙腺ができる。

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穴澤:不思議ですよね(笑)。

藤田:不思議といえば、涙って成分的には尿や鼻水とほとんど同じなのに、涙だけ「美しい」といわれるよね。だいたい体内から出るものは、「ばっちい汚い」っていわれるのに。

穴澤:いいじゃないですか。別の意味で涙は美しいんですよ、たぶん(笑)。それはそうと、体液って成分は海水に近いんですよね?

藤田:そうなんですよ。人間や犬に限らず、生物の体液のイオン濃度の構成比は海水にとてもよく似ているんですよ。それは、生物が地球上に誕生した歴史を物語っているんだと思いますね。その歴史をお母さんのお腹の中にいる10カ月の間に再現しているんです。

穴澤:お腹の中で誕生したばかりの赤ちゃんの成長過程の写真とか見ると、ホントにそう思いますよね。

藤田:そう、まず海の中で単細胞生物が出現して、それが多細胞生物になって、魚になって……、最後にほ乳類が出てきたっていう歴史そのものですよね。羊水は海なんですよ。

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穴澤:その海は約35億年前に誕生したといわれているんですが、そこから海水の質と量はほとんど変わっていないらしいですね。

藤田:そうですね。地球上にある水の97.5%は海水で、あとの2.5%が淡水なんですが、そのほとんどが高山などに氷として閉じこめられていて、私たち陸上生物が使用可能な地下水、湖沼水、河川水は、たった0.3%だといわれていますからね。

穴澤:そんなに少ないんですか?

藤田:そうなんですよ。それに世界では今、水不足で悩んでいる国が本当にたくさんあるんですよ。人間の基本的権利として1日1人当たり約20リットルの水が必要だといわれているんだけど、その量が得られない人がすごくたくさんいるんです。5リットル未満の人が発展途上国にはたくさんいる。

穴澤:身体自体に1日2.5リットルの水分が必要だというのに、全部含めて5リットルじゃあんまりですね。

藤田:一方、アメリカなんかは1人約570リットルも使ってる。オーストラリアで約500リットル。日本が約370リットルだそうですね。

穴澤:ボクもそうですけど、日本人は水がタダだと思っていますからね。

藤田:その点、ドイツとイギリスなんかは比較的少ないんですよ。どちらも170リットルぐらい。中国はもっと少なくて80リットル。

穴澤:その差はどこから来るんでしょうね。

藤田:やっぱり水を大切にしているかどうかでしょうね。

穴澤:では、次回はそんな「水そのもの」について詳しく聞かせてください。

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