元気丸で行こう!

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水とカラダのめぐり 第1回

富士丸。快適生活にも、落とし穴ってあるんだぞ。

穴澤:今月のテーマはズバリ「水」なんですが、教授は水についても、いろいろな研究や調査をされているんですよね?

藤田:えぇ。最初は病原菌や伝染病を調べていたんですが、どうも水も関係があるぞということになりまして。

穴澤:これまでに、どのくらいの国の水を調査されたんですか?

藤田:60カ国は回りましたよ。さまざまな水を調査しに。

穴澤:いつも思いますけど、もの凄い探求心ですよね(笑)。

藤田:病気ですからね(笑)。

穴澤:さて、先月の「血液と血液型 第1回」でも伺いましたけど、成人の身体の約60%が水分なんですよね? 血液は15%以上失われると危ないという話なんですが、血じゃなくても体内の水分がどれぐらい失われると死んじゃうんですか?

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藤田:いつも危機的な状況を突き詰めてくるね、キミは(笑)。人間でいうと、体重の10%の水分が失われると危機的状況になり、20%以上失うと死亡するといわれていますよ。

穴澤:普通に暮らしていると、ボクたちはだいたいどのくらいの水分を失っているんですか?

藤田:ウンチとかおしっことか汗で、何もしなくても約2.5リットルは体から出ていくといわれていますね。

穴澤:じゃあ、基本的に大人は1日2.5リットルの水分をとらないといけないということですか?

藤田:そうですね。体重70キロの人で、だいたい約40リットルの水分を体に蓄えているんです。そのうち、2.5リットルを毎日入れ替えているわけです。

穴澤:僕はわりと水を飲むほうですが、それでもそんなにたくさん水を飲んでる人って、あんまりいないと思いますけどね。

藤田:水そのものじゃなくても、食事とかにも水分は含まれているわけだから。とくに野菜なんかはね。

209-3%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E4%B8%B8%E3%81%86%E3%81%A9%E3%82%93.jpg(ザ・富士丸うどん)

穴澤:あぁ、そうですよね。犬も体重に対しては人と同じぐらいの水分が必要なんでしょうかね?

藤田:恐らくそうでしょうね。たとえば、高さ50メートルの樹木は1日で190リットルもの水を吸い上げるそうですが、それを人間の体積に換算すると、じつは人間が1日に必要とする水分量、つまり2.5リットルとほぼ同じだそうですからね。犬でも猫でも、その比率は似たようなものだと思いますよ。

穴澤:出ていく水分に見合った水分補給をしないと、人も犬も脱水症状になるというわけですね。ところで、暑い地域では熱中症になる人が少ないって聞いたんですけど、それってどうしてなんですか?

藤田:人間の汗腺というのは、全部が機能しているわけじゃないんですよ。実際に汗を出すのは日本人の場合、全体の約6割で、それを「能動汗腺」というんです。能動汗腺の数は2~3歳までに決まるといわれていて、暑い地域に暮らす人は寒い地域に暮らす人より体温の上昇が激しいので、体温調整がスムーズに行えるよう、能動汗腺の数が多くなると考えられています。

穴澤:なるほどー。じゃあ、逆に小さいときからエアコン完備で暮らして汗腺を使わないでいると、能動汗腺が少なくなるということですね。

藤田:そうそう。汗で体温調節をする機能が弱くなる。だから、今の日本の若い人は「変温動物」っていわれるようになってるでしょ。寒い所に入れると体温が35度くらいになるし、暑い所へ入れると37度ぐらいになっちゃう。

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穴澤:なるほど。快適生活というのも、それなりのリスクがあるんですね。ところで、教授はたしか2回ぐらい死にかけたことがあるんですよね?

藤田:ありますよ(笑)。1回はインドネシアのアンボンからブル島へ船で渡ろうとしたんだけど、暴風雨にあって漂流しちゃってね。三日三晩飲まず食わずで、もう本当に死ぬかと思いましたよ(笑)。

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穴澤:凄まじい経験をしてますよね、学者なのに(笑)。

藤田:そのときは、人間はギリギリの状態に置かれると、欲しいモノは「水」だけなんだという貴重な経験をしましたよ(笑)。

穴澤:クウェートかどこかの砂漠でも死にかけていますよね?

藤田:そのときは、ひどい脱水症状になったんですよ。50度近い砂漠を歩いていたんだけど、20分もしたらひどい頭痛とめまいに襲われてねぇ。汗をかいているつもりはなかったんだけど、灼熱(しゃくねつ)の太陽の下、瞬時に蒸発していたんでしょうね。

穴澤:脱水症状になると、水だけではなかなか回復しないというのは本当なんですか?

藤田:本当ですよ。これは私も経験しましたが、水を飲んでも途中から飲めなくなるんですよ。これに関してはちゃんとした実験も行われていてね。被験者に脱水症状になるまで運動してもらい、その後、真水を飲んでもらうんですよ。そうすると、失われた脱水回復率が約50%のところで、ピタリと水が飲めなくなるんですよ。

穴澤:それはどうしてなんですか?

藤田:浸透圧の問題ですよ。

穴澤:浸透圧?

藤田:たとえば、不純物を通さない膜で真ん中を仕切った水そうがあるとするでしょう。その片方に海水1リットル、片方に真水1リットルを入れたとする。すると、濃度の低い方(真水)から、高い方(海水)へと水分子が移動して、同じ濃度になろうとするんです。この現象を「浸透」といって、染み込んでいく強さを「浸透圧」というんです。そして、浸透圧は濃度の差が激しいほど強いんです。

穴澤:あ、それ、どっかのテレビ番組で見たことあります。

藤田:体液の塩分濃度というのは約0.85%だけど、水分が失われていくと、この濃度がどんどん濃くなっていくわけです。そこへ真水が大量に入ってくると、水を通す膜、つまり細胞膜が浸透圧の影響で破裂しちゃう。だから、途中で水が飲めなくなるんです。

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穴澤:水だけでは脱水症状がなかなか回復しないというのは、そういうことなんですね。

藤田:ただし、スポーツドリンクなんかだと、体液の塩分濃度に合わせてあったりするから、脱水回復率100%までグビグビ飲めますよ。

穴澤:それって、犬でも同じなんですよね。

藤田:同じでしょうね。

穴澤:だとしたら、夏の暑い日に犬が飲まなくなるまで水を飲ませたからって安心できないですね。

藤田:そうですね。犬も同じくスポーツドリンクを飲ませたほうが補給はしやすいですね。富士丸はスポーツドリンク飲む?

穴澤:あいつは、水以外飲もうとしないです(笑)。

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藤田:ともかく、脱水症状のときは体内でそういうことが起きてる。危ないと思ったときには、自分で判断しないで病院に行ったほうがいいですよ。

穴澤:これから冬本番だってときに、思い切り季節感のない話になってしまいましたね(笑)。

藤田:ね。夏まで覚えててほしいですね(笑)。

穴澤:では、次回も季節感を無視した感じでお願いします(笑)。

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プロフィール 富士丸な日々

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