血液と血液型 第2回
大根にも豚にも血液型が! 血液型はどうやってできたんだ?
穴澤:前回は血液そのものについてお話してもらいましたが、血液には血液型ってあるじゃないですか。そもそも血液型って、何なんですか?
藤田:赤血球の表面にはフコース、ガラクトース、N-アセチルガラクトサミンなどの糖がいくつも連なっているんです。血液型の違いは、それらの糖の化合物の並び方の違いによって生まれるんですよ。
穴澤:物質の名前が全然覚えられません(笑)。でも、血液型って、もの凄い細かいところで決まってるんですね。それって、だれが発見したんですか?
藤田:現在、最もポピュラーなABO血液型物質が発表されたのは1901年で、オーストリアの医学者カール・ラントシュタイナーという学者によって報告されたんです。彼は同僚や先輩6名の血液を採取して、混ぜ合わせる実験をしたんです。その結果、組み合わせによって血液の凝集が起こったり起こらなかったりということから、血液にはA型、B型、O型(当初はC型という名称)という3つの血液型があることを発見したんですよ。
穴澤:AB型がないですね?
藤田:その6名の中にAB型の人がいなかったんですよ。でも、翌年にはそれも見つかって、血液型には4つのタイプがあるということがわかったんですよ。
穴澤:でも、血液型ってABO式だけじゃないですよね?
藤田:えぇ。Rh式、P式、MN式、ルイス式など9種類ぐらいありますよ。
穴澤:どうしてABO式が一番ポピュラーなんですか?
藤田:うーん、それは一番古くて、一番生物界に多くあるからでしょうね。それこそ植物から動物まであるから。
穴澤:前回聞いてびっくりしたけど、やっぱり驚きです!
藤田:植物はね、血液はないけど血液型物質はもってるんですよ。大根はO型だったり。
穴澤:大根はO型なんですか!!(笑)
藤田:あと、豚はみんなA型だしね。もっと言うと、細菌も血液型物質をもっている。細菌は約30億年前には存在していたことが化石で確認されていますが、細菌も血液型物質をもっているんです。
穴澤:細菌もかぁ!
藤田:腸内細菌も種類によって、A型物質、B型物質、O型物質と異なる血液型物質をもっているんです。それが私たちの体の中に入り込み、トランスフェクション(遺伝子導入)を起こした結果、人間にも血液型ができたんですよ。
穴澤:犬は何型なんですか? 富士丸は何型なんだろ。
藤田:犬はABO式ではないですが、日本では9種類の血液型に分けられていますね。
穴澤:9種類もあったら、輸血のとき困りますよね。
藤田:私は専門ではありませんが、犬や猫の場合は、輸血する血液と輸血される側の血液が合うかどうか調べるクロスマッチという事前検査で大丈夫であれば、血液型が違っても輸血は可能だそうですね。
穴澤:なるほどぉ。で、ここでちょっと疑問なんですけどね。たとえば、人間の血と豚の血を、こう、コップにドボドボと入れても見た目はほとんど一緒ですよね?
藤田:まぁ、見た目は一緒ですよ。
穴澤:そこでA型の豚の血だったら、A型の人には輸血できないんですか?
藤田:できませんよ(笑)。それは血液型が同じでも全くモノが違うから。
穴澤:それは、種が違うということですよね。じゃあ、チンパンジーとヒトのDNAって99%同じだっていいますけど、それでも輸血できないんですか?
藤田:できませんよ。いくら99%DNAが同じでも、やっぱり種が違いますから。混血ができないというのは、そういうことですよ。
穴澤:あぁ、なるほど。では、同じヒト同士でも血液型が違うと輸血できないというのはどういうことなんでしょう?
藤田:さっき話したように、ABOは赤血球表面の糖の化合物(糖鎖)の並び方で分かれます。A型の人はA型の糖鎖、B型の人にはB型の糖鎖、A型B型両方の糖鎖を持っているのがAB型というように。
穴澤:O型は?
藤田:O型はA型、B型どちらも持っていません。いうなれば、O型が基本なんです。別のいい方をすると、O型にほんの少し違ったタンパク質がくっついたのが、それぞれA型とB型、そのどちらも持っているのがAB型というわけです。
穴澤:なるほど。
藤田:「免疫力とアレルギー 第1回」に「抗体」という言葉が出てきましたが、血液型が違うと輸血ができないのには、この抗体が関係してくるんです。A型の人は抗B抗体はつくりますが、抗A抗体をつくりません。逆に、B型の人は抗A抗体はつくりますが、抗B抗体をつくりません。自分を攻撃しちゃうのでね。だから、AB型の人はどちらの抗体もつくらず、O型の人は抗A抗体、抗B抗体の両方をつくるのです。
穴澤:わかりました! A型の人に違う血液型を輸血すると、体の中で戦争になっちゃうからダメなんですね。
藤田:よくできました(笑)。簡単に言うと、そういうことです。ただ、現在は血液型だけじゃなくて、場合によってはもっと精密に検査してから輸血することもありますけどね。
穴澤:ところで、血液型と性格って、やっぱり関係があるんでしょうかね?
藤田:私はね、血液型と性格については、ある程度関係性があると思っているんですよ。そこには病気に関係してくるんですけど。
穴澤:病気と血液型ですか? なかなか興味深いお話ですね(笑)。では、次回はそのあたりを詳しく聞かせてください。
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