におい 第1回
富士丸のにおいは好き。でも、自分のにおいはそろそろ気になる……
穴澤:「元気丸で行こう!」の10月のテーマは「におい」です。そろそろオヤジ臭が漂い出す年頃のボクとしても、大変気になるテーマですね(笑)。
藤田:まだ早いでしょう(笑)。
穴澤:そもそも人間って、どうしてお風呂に入らないと臭くなるんでしょう。
藤田:よく「汗臭い」っていうでしょう? でも、じつは、汗の成分は99%が水なので、臭くないんです。におうのは汗の中にわずかに含まれている皮膚(ひふ)の脂肪酸が常在菌に酸化分解されてできる「イソ吉草酸(いそきちそうさん)」などのためです。
穴澤:何だか昔話に出てくる正直者みたいな名前ですね(笑)。そいつが汗臭さの犯人なんですね。
藤田:あとは、脇の下なんかにある「アポクリン汗腺(かんせん)」から出てくる物質があってね。あんまり洗わないと、その物質に細菌がくっついて、におうんです。出てくる物質が人によって強い人と弱い人がいて、強い人が一般的にワキガということになるわけですよ。
穴澤:でもたしかワキガって、ここからがワキガだというきっちりした線引きはないんですよね? こう、だいたいこのぐらいからワキガかなっていう曖昧なものだって聞いたんですけど。
藤田:そうですね。ただ、ワキガっていうと、どうしても嫌なイメージだと思うんだけど、それが好きな人の匂いだった場合は、好きな匂いになるみたいだよ。その匂いがかぎたくてしょうがないっていう。
穴澤:マニアじゃないですか(笑)。
藤田:そうでもないんですよ(笑)。海外は特に、昔からあんまりお風呂に入らない文化だから、そういう部分は多いんですよ。ナポレオンなんかも戦場から帰るとき、奥さん宛に手紙を出してますからね。「もうすぐ帰れます。どうか風呂に入らず待っていてください」ってね。
穴澤:本当ですか!?
藤田:ええ、本当ですよ。さっきいった「アポクリン汗腺」から出てくる物質も、その人によって細菌感染の仕方が違うから、その人特有の匂いが出てくるということもあるんですよ。ナポレオンはきっと、奥さんのその匂いが大好きだったんでしょうね。
穴澤:たしかに、昔のヨーロッパではみんなお風呂に入らず、体臭がきついから、香水が生まれたっていいますしね。
藤田:日本は周りにいくらでも水があるし、風呂にも入るっていう文化だったことと、世界的にもホルモン系のにおいが少ない人種だから、あんまりそういうことはないんだけども、海外では相手の体臭を楽しむ文化があったわけですよ。
穴澤:そういえば、犬も相手のにおいをよくかいでますね。
藤田:それ以外にも、どうぶつは自分のにおいをおしっこというかたちで、振りまくでしょう。それで縄張りを主張したりね。においは、どうぶつにとって、とても重要な働きがあるというわけですよ。
穴澤:おしっこには相手の体調やさまざまな情報が詰まっているっていいますもんね。それに犬って、他の犬の股間のにおいをよくかいでますよね。
藤田:人間は二足歩行になったから、姿勢的に股間のにおいをかぐ行為が難しくなっただけだと思いますよ。だから、脇の下からにおいを出す必要があったんです。
穴澤:どうしてですか?
藤田:フェロモンですよ。相手と抱き合うときに、脇が上がるでしょう? そこで自分のにおいを出すわけです。癒しだったり、性欲を刺激したり。
穴澤:脇のにおいが(笑)?
藤田:元々、股間や脇のにおいはフェロモンだからね。
穴澤:そういえば、ワキガには癒し効果にあるんじゃないかっていう研究もされているんですってね。それって本当なんですか?
藤田:本当ですよ。今、日本中が無臭文化になってきて、におう人は嫌だって風潮になってきましたが、脇のにおいには人をホッとさせる働きがあるという研究が実際に行われていて、ベンチャー企業もたくさん参加して、それを商品化しようとしてますよ。
穴澤:あのにおいを?
藤田:あのままじゃないけど、そういう要素を入れたらどうかということは真剣に考えられていますよ。あのにおいが人類にとってのフェロモンであることは確かですしね。癒し効果についての研究は進んでいるんです。
穴澤:どんな商品ができるのか、ちょっと楽しみですね。では、次回は、加齢臭なんかについても、もうちょっと詳しく聞かせてください。

