元気丸で行こう!

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免疫力とアレルギー 第4回

薬や注射じゃなく、アレルギーを治す方法は……

穴澤:この「免疫力とアレルギー」の第1回で、寄生虫が出す物質が、結果的にアレルギーを抑えていたという話だったじゃないですか。

藤田:ええ。その物質もすでに特定はできているんですよ。

穴澤:その物質を直接飲めば、アレルギーは治まるんじゃないんですか?

藤田:治まりますよ。実験もしましたし。ただね、困ったことにそうすると「Th1」が小さくなるんですよ。

穴澤:出ましたね。「Th1」がやっと。「Th1」はどういう働きをするんですか?

藤田: 「Th1」というのは、おもにガン細胞をやっつけるための免疫系なんですね。だから、直接ガンを抑えるNK細胞*とか、インターフェロン*とか、キラーT細胞*なんかを出させる働きがあるんです。
*NK細胞:体内をパトロールし、ウイルス感染細胞やガン細胞を見つけると、単独で攻撃する。
*インターフェロン:ウイルス感染細胞でつくられるタンパク質。ウイルスの増殖を抑制し、抗腫瘍作用もある。
*キラーT細胞:異常な細胞を見つけて殺す働きをする。

穴澤:抗体をつくる「Th2」とは、働きが違うんですね。

藤田:そう。この「Th1」と「Th2」がお互いバランスをとっているのが免疫力です。このバランスがどちらに傾いてもいけない、というわけです。だって、アレルギーは治ったけどガンになったんじゃ、元も子もないですからね。バランスが肝心なんです。

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穴澤:なんだぁ。じゃあ、寄生虫から夢の薬はできないんですね。

藤田:やろうと思えばできるんですけどね。「Th1」をあげる薬を同時に打てばいいだけですから。

穴澤:できるんですか?

藤田:ただね、それはどちらも注射じゃないといけないんです。同時に2本の注射を打たないといけないというのは、薬としてはちょっと問題があるわけですよ。

穴澤:やっぱり本物の回虫を飼った方がいいというわけですか。

藤田:それはもう無理でしょうね。回虫って、感染した人のウンチの中から卵を取り出して、飲んでもダメなんです。まず土の上で2週間以上放置されないと孵化(ふか)できない。今、もう人間の糞尿で有機栽培なんてしてないから、感染しようがないんです。サナダ虫もそうですが、もう日本は回虫も生きていけない社会になったわけなんですよ。

穴澤:日本ではサナダ虫も回虫も絶滅危惧種なんですね。

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藤田:だからもう寄生虫や、寄生虫が出す物質でアレルギーを治そうというのは無理があるんです。そんなことするぐらいだったらBCGを打った方がいい。

穴澤:BCGって、あの子どものときに打たれた?

藤田:そうですよ。

穴澤:BCGがアトピーや花粉症に効くんですか?

藤田:効きますよ。BCGっていうのは結核のワクチンですから。要は、結核菌のすり潰しなんです。

穴澤:どうしてそれがアレルギーを抑えるんですか?

藤田:結核菌に対する「IgG」をたくさん作るようになるからですよ。「IgE」なんかつくってるヒマがなくなるというわけですね。

穴澤:だけど、ボクらの世代ってまだBCG注射が学校であったと思うんですが、それでも花粉症やアトピーの人っていますよ。それはどうしてですか?

藤田:結核に対する抗体がいつまでも続くわけじゃないからね。あと、BCGを1回打った人より、2回打った人の方がさらにアレルギーにならないんです。

穴澤:今、アレルギーに苦しんでいる人が病院に行って、BCG打ってくださいっていったら打ってくれるんですか?

藤田:どうでしょうね。普通のお医者さんは知らないから、難しいかもしれないですね。だけど、免疫学をやっている人なら知っていますよ、BCGがアレルギーを抑えるということは。

穴澤:どれぐらいの割合でよくなるんですか?

藤田:実際、ぜんそくの人にBCGを打ったら73%の人が治りましたから。アトピーも割合は同じぐらいです。

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穴澤:BCGがアレルギーを治すなんて全然知りませんでした。

藤田:BCGがアレルギー治療に有効なことは、はっきりしてますよ。私は20年前から言ってるんですから。

穴澤:へぇー。それは驚きです。では、薬や注射ではなくアレルギーを治す方法というのは?

藤田:それはやっぱり免疫力をあげることでしょうね。

穴澤:免疫力をあげると攻撃力も増える気がするんですが、ますます花粉やホコリなど本来反応しなくていいモノに反応したりしないんですか?

藤田:それは大きな間違いでね、免疫力というのは「Th1」と「Th2」バランスなんですよ。バランスが取れていないから、「Th2」が変なモノに反応したりするんですよ。

穴澤:なるほどー!

藤田:シーソーでふたりの人がバランスをとっているとしましょう。子ども同士でもいいし、大人同士でもいいです。だけど、総重量は大人がバランスを取っている状態の方が大きいでしょう? それを免疫に置き換えればいいんです。免疫力をあげるというのは、シーソーでいえば子どもから大人に、さらにバランスは保ったままにするという意味なんです。

穴澤:なるほどー! しか言ってない気がする(笑)。

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藤田:免疫力を高めるためには、前にもいったようなバランスの取れた食事をすること。それも防腐剤や食品添加物を避けて、なるべく手作りの食事をとること。あとは、メンタル面も大切なので、楽しく暮らすこと。

穴澤:楽しく暮らすと、免疫力ってあがるんですか?

藤田:あがりますよ。以前に実験したんですが、落語を聞くグループと、聞かないグループで、実験の終了後のNK細胞の量を測定したことがあるんです。そしたら、落語を聞いて笑ったグループの方はNK細胞が増えていたんです。

穴澤:笑うことって大切なんですね。

藤田:そう、ストレスを与えると免疫力は低下するっていいましたけど、その逆もあるわけです。毎日イライラしてる人より、ニコニコしている人の方がずっと免疫力はあがるんです。

穴澤:ま、それがなかなか難しい世の中なんですけどね(笑)。

藤田:そういう意味でも、どうぶつと暮らすのはいいことなんですよ。どうぶつと暮らしていると、自然と笑顔になったりするでしょう?

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穴澤:あぁ、たしかに(笑)。

藤田:どうぶつたちにはそういう力があるんです。富士丸くんのおかげで穴澤くんも元気でいられるということなんですよ。感謝しなくちゃいけませんよ(笑)。

穴澤:はい(笑)。ちなみに、犬もバランスのとれた食事はもちろん、メンタル的にも自由に駆け回ったり、川で遊んだりしてると免疫力って高まるんですか?

藤田:そうですよ。免疫についていえば犬も人も同じですからね。いつも穴澤くんを健康に保っていてくれる富士丸くんと、ちゃんと遊んであげてくださいね。

穴澤:わかりました(笑)。では、なんだか、ボクが元気なのは全部富士丸のおかげ的な雰囲気になったところで、9月のテーマ「免疫力とアレルギー」を終わりたいと思います。教授、ありがとうございました!

藤田:こちらこそ(笑)。





【疑問・質問 募集中!】
10月のテーマは「におい」。
人もどうぶつも、生きものとして「におい」は自然なもの。
においは記憶や情緒・安心感と深ーい関係があったり、うんちやおならのにおいが健康のバロメーターにもなったり。
また、モノのにおいから食べられるかどうかを確かめたり、どうぶつは自分のにおいをなわばりに使ったり。生殖にも重要な役割を果たします。
清潔志向から、におい抹消の動きもありますが、こんな「におい」について、みなさんやわが子の疑問やお悩みを募集中。もちろん、富士丸と父ちゃんへの質問も大歓迎です!

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