免疫力とアレルギー 第3回
お母さんのお腹で、赤ちゃんのアレルギー体質がつくられる?
穴澤:前回、どうぶつのいる家庭に生まれた子はアレルギーになりにくという話を伺いましたが、逆にこんな人がアレルギーになりやすいというのはあるんですか?
藤田:おもしろいデータがあってね、第一子はアレルギーになりやすいんですよ。逆に第二子、第三子はアレルギーになりにくい。
穴澤:それはどうしてなんですか?
藤田:最初の赤ちゃんはね、お母さんも心配だからおっぱいを消毒したり、ほ乳瓶を煮沸したりいろいろするんだけど、二番目、三番目になると、もう面倒くさくなってあんまりやらないみたいだね(笑)。
穴澤:あははは。ボク、三人姉弟の末っ子ですよ(笑)。
藤田:あとね、お母さんが働いているとアレルギーになりにくいというデータもありますよ。
穴澤:それはどうして?
藤田:お母さんがずっと家にいたら、子どもが落ちたものを拾って食べようとしても「ダメッ!」とか止めるでしょ。だけどお母さんが家にいないと、子どもは結構汚いことして遊んでるんでしょうね。どろんこ遊びなんかも怒られずにできるし。そんなことをしていると、強くなってアレルギーになりにくいんですよ。
穴澤:過保護すぎてもダメなんですね。
藤田:それもはっきりしていてね、江戸時代のお殿様の子どもの死亡率って、調べてみたらすごく高いんですよ。何食べるのにも毒味役がいて、生は怖いからとぜんぶ煮沸したもの食べさせてね。そうすると免疫力がどんどん落ちて、病気になっちゃうんですよ。
穴澤:読者からお便りのあった、今の学校給食の現場みたいですね。
藤田:私もそこが怖いと思っているんですよ。
穴澤:ボクの時代は、机の中にカチカチになったパンがいっぱい入ってるヤツとかいましたけどね(笑)。あと、ボク自身もよくドブ川に落ちたりしてましたよ。どろどろになって帰ると、オカンに「玄関で全部脱げー!」って怒鳴られたり。
藤田:お母さんは正しいと思うよ(笑)。ただね、今の時代の流れの中で、大事に大事に育てたいという気持ちも、もちろんわかるんだけど、そういう部分が逆に子どもを弱くすることだってあるということなんですよ。
穴澤:育った環境ではなく、生まれながらにアレルギー体質の人っているでしょう? そういう人はどうしてなんですか?
藤田:肥満細胞が破れやすい体質だとか、「IgE」*をたくさん作りやすい体質というのはたしかにあるんですよ。だから、アレルギーになる人・どうぶつと、ならない人・どうぶつには遺伝的な要素があるといえばあるんです。あるんだけれども、環境要因の方がずっと大きいんです。
*IgE:2種類の抗体「IgG抗体」と「IgE抗体」のひとつ。ウイルスや細菌をやっつけるのが、だいたい「IgG」、寄生虫やばい菌をやっつけるのが「IgE」。
穴澤:環境要因、ですか?
藤田:生まれながらにアレルギー体質という人の場合、お母さんのお腹の中にいるときの環境ですね。お母さんが、ひどいストレスを受けていたり、病気をして抗生物質をたくさん服用していたりした場合、生まれながらにアレルギー体質の赤ちゃんが生まれることが多いんです。
穴澤:たとえば、どんなストレスですか?
藤田:さっきいったように、本来なら最初の子どもの方がアレルギーになりやすい傾向があるんですよ。ただ、一番上は平気なのに、二番目の子がアレルギーになったという例では、二番目の子を妊娠しているときのお母さんの状態が影響している可能性が高いんです。私が実際に聞いたのは、二番目の子が妊娠しているときに、ご主人の転勤で、言葉も違う全く知らない土地で、子育てをしながら、友だちもいなくて、いつもイライラしていた、とかね。その後、生まれた子がすごいアトピーでね。
穴澤:お母さんの精神状態も影響するということですね。
藤田:そうなんです。兄弟でも、お母さんの影響で変わってきたりするんです。
穴澤:今、ひどいアトピーで苦しんでいる子どもって、本当にかわいそうだなぁと思うんですけどねぇ。治る方法とか、ないんですか?
藤田:私の知り合いでね、子どもがひどいアトピーで何をしても少しもよくならないって悩んでいる人がいたんですよ。それで私が「屋久島かどっかで暮らせば治るんじゃない」といったんですよ。すると、本当に家族で移住しちゃってね。そしたら、スカーッっと治ったんですよ。
穴澤:そんなこともあるんですね。あ、でもぼくも聞いたことありますけど、子どものアトピーの治療って、必ずほめるんですよね?
藤田:アトピーの名医っていわれている人は、みんなそうですよ。とにかくほめる。よくなってなくても「ちょっとよくなったね。すごいね、頑張ったね」って。すると、子どもはその気になって、治ってくるんです。
穴澤:なんでしょう。アレルギーや免疫力って、やっぱり精神的な面も影響するんでしょうか。
藤田:精神面での影響は約30%もあるんですよ。それだけ大切だということなんです。
穴澤:30%ですか!
藤田:たとえば、実験でいうとネズミがエサを食べようとするときに、しっぽに微量の電流を流すんです。するとね、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)*がグーンと下がる。つまり免疫力が低下するということなんですが、食べるという一番楽しみなときにストレスを与えると、非常に免疫力が落ちるんです。
*NK細胞:体内をパトロールし、ウイルス感染細胞やガン細胞を見つけると、単独で攻撃する。
穴澤:ご飯を食べているときに、嫌なこといっちゃダメなんですね。
藤田:だから、嫌な人とは食事しないことですよ(笑)。
穴澤:嫌な人とは飲まない(笑)。
藤田:だからね、私ほとんど飲みに行かなくなりましたよ。行くのは講演会の後の立食パーティーぐらい。今年になって飲みに行ったのなんて、穴澤くんひとりだけですよ。
穴澤:おぉ! なんと光栄な。楽しかったですよね、あの夜は(笑)。また行きましょうね。
藤田:行きましょう(笑)。
穴澤:では、脱線してしまいそうなので(笑)、次回は免疫力を高める具体的な方法と、アレルギーを治すにはどうしたらいいかという話を聞かせてください。
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10月のテーマは「におい」。
人もどうぶつも、生きものとして「におい」は自然なもの。
においは記憶や情緒・安心感と深ーい関係があったり、うんちやおならのにおいが健康のバロメーターにもなったり。
また、モノのにおいから食べられるかどうかを確かめたり、どうぶつは自分のにおいをなわばりに使ったり。生殖にも重要な役割を果たします。
清潔志向から、におい抹消の動きもありますが、こんな「におい」について、みなさんやわが子の疑問やお悩みを募集中。もちろん、富士丸と父ちゃんへの質問も大歓迎です!
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