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2008年01月31日
有機栽培と抗菌グッズ? 確かになんだか……
穴澤:「食の安全」最終回は、読者からの質問で始めたいと思います。「有機栽培や無農薬栽培に熱心な一方で、抗菌商品が大人気の風潮には違和感を覚えるのですが、藤田先生はどう思われますか?」。
藤田:本当にそうですよね。有機野菜や無農薬野菜って、いってみれば農薬で“ばい菌をやっつけない”ということですから。その一方で、私たちの皮膚(ひふ)にいて守ってくれているばい菌は根こそぎやっつける、というなんともおかしなことをしていますよね。
穴澤:有機肥料って、牛のふんとか、堆肥(たいひ)とか、近ごろは生ゴミからも作るって聞いたんですけど、ちょっと疑問なんですよ。
藤田:何が?
穴澤:要は、有機肥料は化学肥料の反対で、人工的な化合物や添加物を使っていないということですよね? だけど、その前の段階で牛のエサにしても生ゴミにしても、そこに食品添加物とかが含まれていたら、結局同じというか、あんまり変わらないように思うんですけど。
藤田:そういう意味では、そうかもしれないね。いや、そのとおりです(笑)。それにね、たとえ有機肥料でも、家畜のふん尿などを使いすぎると、窒素肥料と同様に「硝酸性窒素(しょうさんせいちっそ)」という物質が発生して、それが土の中に溜まり、水や野菜などにも出てくるという問題が起こっているんです。
穴澤:それをとると、どうなるんですか?
藤田:酸素を運ぶ「ヘモグロビン」が、酸素を運べない「メトヘモグロビン」になってしまう。で、牛が突然死んでしまう「ポックリ病」なんかが出てくるんです。だから、何事もやりすぎず、ほどほどがいいということなんですけどね。
穴澤:わかりました。では、続いても読者からの質問です。「ここ最近の海外や国内の食品騒動で、藤田先生の食品の選び方は変わりましたか?」ということです。どうですか?
藤田:別に変わりませんよ。昔から一緒です(笑)。穴澤くんは?
穴澤:ボクも、別に(笑)。あ、ただ、「水とカラダのめぐり」をやったあと、水に対する意識は変わりましたよ。富士丸の水も何がいいのか考えたりしています。そういえば、犬って、やっぱり本来は肉食なんでしょうか。
藤田:本来はやっぱり肉食でしょうね。
穴澤:なら、やっぱり肉を多めにあげた方がいいんでしょうかね?
藤田:ただ、自然界の肉食は草食動物の内臓から何から一緒に食べているわけだから、スーパーで肉の切り身を買ってきてあげるのとは違うでしょうね。
穴澤:人間も本来は肉食だったんでしょうか?
藤田:木の実などの採集や狩猟から始まってますね。で、牧畜、農耕と、世界に散らばっていく段階で多様性が出てきて、腸内細菌もその土地や生活に合ったものに変わっていったと思うんです。日本人でいえば、農耕民族として定着した約1万年前から、身体の基本的な構造は変わっていないといわれているんです。
穴澤:「水とカラダのめぐり 第4回」でも出た「水や地域に応じて食文化ができた」ということですね。ところで、アメリカでは、ここのところずっと日本食ブームだそうですね。
藤田:1977年にアメリカで発表された「マクガバン・レポート」というのがあるんですけどね、そこでガンや高血圧、心筋梗塞(こうそく)などの生活習慣病を減らすための理想的な食事として挙げられたのが、精白していない穀類を中心に豆類や野菜、海草や小魚をとって、肉類を減らすというもの。つまり、元禄時代以前の典型的な日本食だったんです。
穴澤:へぇ、日本食って、すごいんですね。
藤田:そこからアメリカの一人当たりの野菜消費量がぐんぐん増えて、1995年には日本と入れ替わってしまったんですよ。
穴澤:今ではアメリカ人の方が日本人より野菜を多く食べているということですか。
藤田:そうなんです。アメリカとは逆に、日本はどんどん減ってる。だから私は免疫力を上げる面からも、本来の日本食がいいといっているわけです。
穴澤:レポートどおりだと、かなり地味な食事ですけどねぇ(笑)。だけど、昔の人は経験値としてそれが自分たちの身体に合った食事で、健康の秘訣であることを知っていたんでしょうね。
藤田:そうなんでしょうね。まだ科学的根拠もない時代ですからね。納豆を最初に考えた人なんてすごいよね。あんなの食べようと思わないもの、普通は(笑)。
穴澤:そうですよね。ボクも今は納豆大好きですけど、子どもの頃はやっぱり抵抗ありましたもん。
藤田:不思議だよねぇ。どうして昔の人は、納豆は身体にいいってわかったんだろうねぇ。
穴澤:まだ、どうぶつの勘が働いていたんでしょうかね。そうとしか思えないですけどね。
藤田:便利になって、いつでもどこでも好きなものが食べられるようになった反面、何か大切な物をなくしちゃったのかもしれないねぇ。
穴澤:ボクも富士丸も、食事にはこれからちょっと気をつけないと。
藤田:そうだよ。食事は本当に大切なんだから。それが身体をつくるわけだし、生きる力、つまり源だからね。
穴澤:とはいっても、ボクは相変わらず酒飲んで鍋ばっかり食べてると思うんですけど(笑)。
藤田:やっぱり穴澤クンも奥さんもらった方がいいかもね(笑)。
穴澤:料理上手のね。でも、繰り返しますけど、結婚ってそれだけじゃないと思うんですけど(笑)。
藤田:あとは食べていけたら、それでいいんだよ。
穴澤:最後の最後に「食」の意味が変わってきていると思うんですが(笑)。取りあえず、ありがとうございました。
2008年01月24日
食品の賞味期限改ざん、ズバリ教授の見解は!
穴澤:昨年から、にわかに浮上してきた食品の賞味期限改ざんなんですが、教授はどう思われますか?
藤田:そもそも賞味期限なんて、なくていいと思うんですよ。私の意見としてはね。
穴澤:ないと怖いじゃないですか(笑)。
藤田:賞味期限って、実際に一般的に食品が傷む期間より、かなり短く設定してあるからね。
穴澤:それはまたなぜですか?
藤田:理由の1つは売るためですよ。賞味期限が短い方が売れるんです。期限内に早く食べなきゃと思うでしょう、また、賞味期限が切れると、それを捨ててまた新しく買うじゃない。すると、次にまた買うというように商品が効率的に回るんです。
穴澤:あれって、ちゃんと品質の変化を検査しているんじゃないですか?
藤田:メーカーは自分のところでやっていますよ、どれくらい腐らないかということを。でも、実際はそれよりもうんと短く賞味期限を設定しているんです。だから、返品で戻ってきたって、まだ全然大丈夫なことは知ってるんですよ。
穴澤:で、「張り替えちゃえ」ってなったんですかね。たしかに、不思議だなぁと思っていたのが、あれだけ賞味期限を改ざんしていても、今までだれひとり食中毒とかになってないところです(笑)。
藤田:そういうことです。「もったいない。まだ大丈夫だ」って、ついやってしまったんでしょうね。もちろん改ざんなんてしてない、ちゃんとした会社はあるんですけどね。それにしたって、賞味期限はかなり短く設定しているはずですよ。
穴澤:ぎりぎりでも怖いですけど、もうちょっと「ここぐらいまでなら大丈夫」という日数にすればと思いますけど。
藤田:そう。そういう消費期限*のような記載があれば、あとは賞味期限なんていらないと私は思いますよ。おいしいと感じるかどうかなんて、自分で決めりゃいいんだから(笑)。
*食品衛生法やJAS法での規定
・消費期限:劣化の早い食品についての品質の保証期限
・賞味期限:劣化の遅い食品についての品質や味・風味の保証期限
穴澤:コンビニとかでも夜中の0時になった瞬間に、お弁当をドカッと捨てたりしますもんね。まぁ、どこかで時間を切らないと仕方がないのはわかりますが。ボクら人間もどれだけ傷んでいるのか、食べたら危険なのかどうかという嗅覚(きゅうかく)が鈍っているんでしょうね。大丈夫かどうか自分でわかれば、賞味期限とかって本当は必要ないですもんね。
藤田:そうだね。食べもののありがたさという点でも、ほんとにもったいないことしてるよね。これだけ賞味期限を気にするのは日本人くらいですよ。富士丸が食べても大丈夫かどうか、かぎ分けてくれればいいのにね(笑)。
穴澤:アイツには無理ですよ、まだボクの方がしっかりしてると思います(笑)。
ペットフードも賞味期限が早めに設定されてるのかな。なんだか今回はいつになく“社会派”な内容になってしまいましたね。
藤田:それだけこの連載の幅が広いということですよ(笑)。
穴澤:まとまりがないともいいますけどね(笑)。ところで、寄生虫に感染する恐れがある食べ物といえば何でしょう?
藤田:突然きたね。キミの好きな分野が(笑)。
穴澤:鮎は横川吸虫(よこかわきゅうちゅう)でしたっけ?
藤田:それもあるけど、淡水魚にはだいたい寄生虫がいるからね。
穴澤:だけど、横川吸虫は感染しても、わりと無害なんでしょう?
藤田:横川吸虫はね。ただ、ドジョウにいる剛棘顎口虫(ごうきょくがっこうちゅう)は人に感染すると皮ふの下をはい回る。加熱すれば大丈夫だけど。
穴澤:雷魚も生で食べるのはよくないんですよね。
藤田:雷魚には有棘顎口虫(ゆうきょくがっこうちゅう)というのがいるからね。これに感染すると、コブが全身を移動しますね。ドジョウや雷魚に関わらず、淡水魚を生で食べるのはあまりよくないですよ。
穴澤:でも、海の魚にもアニサキスとかいますよね?
藤田:詳しいね(笑)。いますよ、いますけど、あれは内臓にいるから。だから、プロの料理人は手早く内臓を取っちゃうでしょう? そうすると、身の方にはないわけです。だけど、素人(しろうと)が自分で釣った魚の腹を割いて、調理の途中で放っておいたりするとね、アニサキスが身の方へ移動しちゃうんです。それを食べると、たまに感染しちゃうんです。
穴澤:アニサキスって、最終的にはどこへたどり着きたい寄生虫なんでしたっけ?
藤田:イルカや鯨といった海洋性のほ乳類に行きたいんです。最初はオキアミなんかの中にいて、それがアジやサバやタラやイカに食べられて、イルカとか鯨に食べられるのを待っているわけですよ。本当は人なんかに来たくないんです。だから、人に感染すると胃に頭を突っ込んだりして悪さする。
穴澤:寄生虫には珍しく、アニサキスって体内で動くと痛いんですってね。
藤田:痛いですけど、内視鏡で確認して取れば一発で治りますよ。それに1度や2度身体に入っても感染はしないんです。ただ、何度も入ってきていると、そのうち、かかっちゃう。
穴澤:なるほど。あと、最後に身近な食べもので、生で食べない方がいいものはありますか?
藤田:うーん、たとえば国産の豚肉は今はもう寄生虫はいないですね。ただ、どの種類の肉もこれだけ国内外からの流通が盛んだから、やはり生肉はプロが料理した生食用以外は加熱するのがいい*。あと、クマとかイノシシとか、野生で暮らしているどうぶつの肉を生で食べるのは避けた方がいいかもしれませんね。
*生肉から感染の可能性がある、おもな寄生虫:回虫、トキソプラズマ、エルシニア
穴澤:犬はどうなんでしょう。犬にも食べさせたら寄生虫に感染する恐れがあるものってあるんでしたっけ?
藤田:人間と同じで生肉は避けたほうがいいでしょう。また、野ネズミからのエキノコックス、カエルからのマンソン裂頭条虫症(れっとうじょうちゅう)の感染は注意が必要ですね。ただ、マンソン裂頭条虫症は人でいうサナダ虫と一緒ですから、特に害はないですよ。おしりからフンドシみたいなのが出ますけど(笑)。
穴澤:富士丸がおしりからフンドシみたいの出してたら嫌だなぁ(笑)。さて、次週で「食の安全」をまとめ切れるのか不安ですが、よろしくお願いします。
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2008年01月17日
野生動物は自分で見分ける。でも、富士丸は守ってやらねば!
穴澤:「食の安全」というテーマからは、ちょっとズレてしまうかもしれないんですが、ボクが常々不思議だと思っていることがあるんですよ。
藤田:どんなこと?
穴澤:毎朝、富士丸の散歩で近所を歩いているんですけど、たまにカラスがゴミ箱をあさっていたりするわけですよ。で、どう見ても腐ってる生ゴミなんかを食べてるんですね。どうして、カラスはあんなの食べて平気なんですか?
藤田:あれは人間が納豆食べているのと同じようなところがあって、腐ってても毒素が組織に侵入しなければ、逆に身体にいいことだってある。
穴澤:あの生ゴミが? 絶対食べたくないですけど(笑)。
藤田:納豆もぬか漬けも味噌なんかも「発酵」させてるでしょう? 「腐る」というのは身体に悪いときに使う言葉で、身体にいいときはそれを「発酵」というんだよね。
穴澤:人間は生ゴミが発酵してるとはいいませんからね(笑)。
藤田:生ゴミって、「腐っている」のか「発酵している」のか、人間にはわかんないよね。実際に食べてお腹壊すまで(笑)。でも、カラスなんかは食べる前から、それがわかるんだろうね。食べていいものか、そうじゃないのかということが。
穴澤:それって、すごい能力ですよね。
藤田:だけど、自然界で暮らしているどうぶつは、みんなそれぐらいわかるんだと思うよ。
穴澤:富士丸は絶対わからなそうですけどね(笑)。
藤田:それはほら、犬はもう人間と暮らして長いから。近ごろの犬は、人がくれるものは全部安全だと思っているでしょう。
穴澤:確かに(笑)。やっぱり犬もどんどん鈍感になっていってるんでしょうね。
藤田:でしょうねぇ。それがいけないのかどうかは置いておいて、自分で食べていいものか、そうじゃないものか見極める力というのは衰えてきているでしょうね。
穴澤:ところで、「腐ったもの」を食べたときに起こす「食中毒」というのがあるでしょう。あれって、どういう現象が起きてるんですか?
藤田:食中毒原因菌が食中毒症状を引き起こす仕組みには3つあるんです。
①は、細菌が付いた食品を口にして、細菌が腸管内で増殖、組織を破壊する「感染侵入型」、
②は、食品内で先に細菌が増殖していて、その毒素を口にしてしまう「生体外毒素型」。
この2つが腐ったものを食べたときに起きる食中毒。そして、もう1つ、
③として、菌が腸管の中で作り出した毒素による「感染毒素型」があります。
有名なのは、1ではサルモネラ属菌、2ではコレラ菌やボツリヌス菌で、コレラ毒やボツリヌス毒を出す。3では、病原性大腸菌O-157。
穴澤:それらが体内に入ると、嘔吐(おうと)したり下痢したりするんですね。それって、必死に身体から菌を出そうとしているからなんですか?
藤田:そうそう。早く体内から毒を出そうとしているんですよ。
穴澤:卵が腐っても、牡蠣(かき)が腐っても、だいたい傷んだ物を食べると食中毒になるじゃないですか。食べ物によって、その毒素は違うんですか?
藤田:そうですね。食品それぞれに、いろいろな毒素を出す細菌がいるんです。
穴澤:なるほど。だから「牡蠣があたると怖い」ように、食べ物によって症状や程度が違うわけですね。
藤田:そうです。野菜なんかは、あんまり怖い毒素を出す菌が付いていないんですよ。
穴澤:なんとなく近ごろの日本人って食中毒になりやすい気がするんですけど、実際、たとえばインドネシアの人たちはどうなんですか? 集団食中毒、みたいなニュースはあるんですか?
藤田:ほとんど聞かないね(笑)。腸内細菌がちゃんとあれば、悪い細菌なんか追い出しちゃうから。
穴澤:腸内細菌。「ウンチと微生物」のときに出てきましたね。
藤田:腸内細菌は、防衛隊みたいなものだから、ちゃんともっていたら細菌が毒素を出す前に追い出しちゃうんです。毒素が既にいっぱい出ちゃってる細菌だったらダメだけど、出す前の段階で身体の中で毒素を出そう、増えようとしても抑えちゃうんです。
穴澤:少し前に大問題になった「O-157」も、本来は弱い菌だと「ウンチと微生物 第2回」で話しましたしね。
藤田:そう。あのとき、同じ物食べても平気な人が多かったということも話しましたね。
穴澤:そうでした。ところで、食中毒とは別に、お腹壊すこともあるじゃないですか。たとえば牛乳を飲んだら、すぐお腹がゴロゴロするとか。あれはなぜなんですか?
藤田:日本人には乳糖を分解・消化する酵素をもっていない人が多いんですよ。その酵素をもっている人は、日本人の2割以下だといわれているね。
穴澤:そうなんですか? でも、学校給食で毎日必ず出てきてました(苦笑)。考え方は、お酒でいうところの「下戸(げこ)」と同じですか?
藤田:同じですよ。なので、無理に牛乳を飲まなくてもいいんです。ただ、発酵すると非常に消化されやすい。だから、チーズとかヨーグルトは大丈夫なんですよ。
穴澤:その消化酵素ですけど、もっているかもっていないかは牛乳を飲んでみればわかるということですね? 飲んですぐお腹壊すようならもっていないと。
藤田:簡単にいうと、そういうことですね。
穴澤:犬はどうなんでしょう。牛乳の乳糖を分解する酵素をもっているんですか?
藤田:ほとんどないだろうね。だって、自然界にいれば、犬が牛乳を飲むことなんてないわけだから(笑)。人が飲ませたんであって。
穴澤:あ、確かにそうですよね。
藤田:牛乳っていうのは、牛の赤ちゃんを育てるために一番いいようにできている。犬には犬のお母さんが出す乳が一番いいわけですよ。人を含めて、どうぶつは自分の赤ちゃんを育てるのに一番いい乳が出るようになっているんです。
穴澤:そういわれてみれば、本来の牛乳の役割ってそうですよね。牛の赤ちゃんが飲むものですもんね。
藤田:だから、牛の赤ちゃんはもちろん牛乳を飲んでもお腹なんか壊しませんよ。
穴澤:富士丸はなぜかヨーグルトが大好きですけどね(笑)。
藤田:発酵すると、成分は変わりますからね。乳糖が2~3割分解され、たんぱく質も一部分解されて吸収しやすくなってるんですよ。でも、あげる量には気をつけてあげたほうがいいですね。
穴澤:なるほど。よくわかりました。では、次回は今世間を騒がせている出来事などについて、教授の意見を聞かせてください。
【疑問・質問 募集中!】
2月のテーマは「免疫力とアレルギー(2)」。
昨年9月の対談で大反響を呼んだ、このテーマ。
花粉の時期、そして、年度変わりの環境変化の時期を前に、
さらに突っ込んだ話を展開していきたいと思います。
というわけで、このテーマについてのご意見・ご質問を募集中!
右上の「連載へのご意見・ご要望はこちら」に、どしどしお寄せください!
2008年01月08日
免疫力低下で、犬もリウマチ!?
穴澤:新年一発めの「元気丸で行こう!」のテーマは「食の安全」です。というわけで突然ですが、教授、インスタントラーメンばかり食べ続けていたら、人は死ぬんでしょうか?
藤田:いつもその手の質問から入るよね、キミは。そんなに死にたいの(笑)?
穴澤:いえ、そういうわけじゃないんですけど、何というか、何事もまずデッドラインを知っておいた方がいいんじゃないかと思いまして(笑)。で、どうなんでしょう? インスタントラーメンだけだと、人は生きてはいけないんでしょうか。
藤田:インスタントラーメンが直接の原因で死ぬことはないでしょう。ただ、そういう食事だけだと免疫力が落ちて、いろいろな病気になるでしょうね。そういう意味でいえば、運が悪ければ死ぬかもしれませんね。
穴澤:インスタントラーメンばかりだと免疫力が落ちるのは、なぜなんでしょう。
藤田:それは食品添加物が原因ですよ。私たちの研究では、防腐剤、合成着色料、合成保存料、結着補強剤など、どれをとっても腸内細菌の発育や増殖に悪い影響を与えていることがわかっているんですよ。とくに合成保存料は、食品に付着した細菌の増殖を抑える物質なので、摂取していると腸内細菌すべての元気がなくなるんですよ。
穴澤:あ、「ウンチと微生物 第2回」でやった「腸内細菌の元気がなくなると、免疫力が落ちる」というやつですね。
藤田:そうそう。よく覚えているじゃない(笑)。
穴澤:で、免疫力が落ちると、アレルギー症状なんかのほかには具体的にどうなるんですか?
藤田:「免疫力とアレルギー 第4回」でも話したように、「Th1」系の免疫力が落ちると、ガンになりやすいですね。ガン細胞というのは健康な人でも1日3000個ぐらい出てきていて、「Th1」がそれを見張ってやっつけているんです。だから、「Th1」の力が弱くなれば、ガン細胞は増え続ける。そもそも、免疫というのは「Th1」と「Th2」のバランスだから、それが崩れると起こってくるのが「自己免疫疾患」なんですよ。
穴澤:自己免疫疾患、ですか。
藤田:そう。自己免疫疾患というのは、自分の免疫で自分の身体の組織を破壊しちゃうんです。
穴澤:アレルギーと同じようなものですか?
藤田:アレルギーとは少し違うんです。アレルギーが外部からの害のない異物や変化に反応してしまうのに対して、自己免疫疾患は何もないのに、ひたすら自分自身の組織を攻撃しちゃうんですよ。関節リウマチなんかがそう。自分の免疫で自分の関節をやっつけるんです。
穴澤:免疫がボケて、おかしな行動をとっちゃうんですね。
藤田:そう。免疫のバランスが崩れると、そういうことが起こってくるわけです。自己免疫疾患には全身症状として現れるもの、臓器特有の病気として現れるもの、というように、じつにさまざまなものがあるんですよ。
穴澤:今更ながら、免疫のバランスって大事なんですね。
藤田:もうひとつはね、免疫のバランスが崩れると、心の病にもなりやすいんですよ。うつ状態になったりね。
穴澤:精神面にも影響が現れるんですか? あ、でも心と身体って、やっぱりつながっているということですよね。でもね、そういう原因になるかもしれない食品添加物だって、ある程度入れないと仕方ない部分もあるんですかね。
藤田:24時間いつでも好きなときに食べられるためには防腐剤が不可欠だからね。でも、そういう便利な食品の登場以降、アトピーなんかが増えてきたっていうのは、やっぱり関係が疑われますよね。
穴澤:ペットフードにも防腐剤が入ったの、多いですもんね。
藤田:犬だって免疫のバランスが崩れるとおかしくなるのは人間と一緒だからね。自己免疫疾患にもなるし、感情も不安定になるし、近ごろは犬もリウマチになるっていうし。
穴澤:うーん、ちょっと考えないといけないですよね。
藤田:インスタントラーメンなんかはまだいいかもしれないけど、いつでもチンして食べられる食品ってあるでしょう? あれは特に防腐剤とか保存料がたくさん入っている物が多いからね。
穴澤:コンビニ弁当とかですか?
藤田:コンビニ弁当は、今は少しちゃんとしてきたんですよ。大手企業がかなり気にし始めているから。フッと駅弁の表示を見たら、そっちの方が怖いときもある。
穴澤:あくまでイメージなんですけど、若い人って、インスタントラーメンやジャンクフードをバンバン食べますよね。それでもわりと平気なような気がするんです。実際ボクも、20代の頃はガンガン食べてましたから。
藤田:若い頃は、カロリーの高い、味の濃いものが好きな時期だからね。それに、添加物って聞いても、平気だと思ってるんじゃない?(笑) でも、30代くらいになると自分の身体のこととか、生活のことも少しは考えるようになってくるでしょう? ただそれだけのことで、本当は若くても身体によくないのは同じだと思うよ(笑)。
穴澤:確かにそうかも(笑)。
藤田:おもしろい統計があってね、近年では40歳を過ぎて離婚した男性は、非常にガンになる確率が高くなっているんですよ。
穴澤:それはまたどうしてですか?
藤田:それまで奥さんの手料理を食べていたのが、全部レンジでチンするだけの食事になるからじゃないかと思っているんです。女性はね、40代で離婚しようが何しようが、ガンになる割合は昔から変わらないんです。男性だけがガンになりやすい。しかも、最近ということを考えると、そういう便利な食品が出てきたことがひとつの要因ではないかと。
穴澤:おっさんになって離婚されて、夜中にチンしてひとりで弁当食べて、ガンになって、って切なすぎますよね(笑)。
藤田:やっぱり食事は手作りがいいとうことですよ。
穴澤:そうですね。富士丸は半分手作りごはんなんですけど。
藤田:半分とは?
穴澤:白菜とかキャベツとか鶏肉とかを煮て、それだけでは栄養バランスが心配だから、ドライフードも少し乗っけているんですよ。
藤田:それはいいでしょうね。で、自分のご飯は?
穴澤:自分で作ってますよ。夜はおもに鍋ですけど。
藤田:鍋はいいよ。鍋だと自然と野菜も食べるし。すごいね、穴澤くんは。富士丸のご飯も自分のご飯もちゃんと作って。奥さん、いらないね(笑)。
穴澤:欲しいですよ。奥さんって、食事だけじゃないじゃないですか(笑)。
藤田:それもそうだね(笑)。
穴澤:そうです(笑)。では、次回はボクがちょっと不思議だと思っていることについてお話を聞かせてください。
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【疑問・質問 募集中!】
2月のテーマは「免疫力とアレルギー(2)」。
昨年9月の対談で大反響を呼んだ、このテーマ。
花粉の時期、そして、年度変わりの環境変化の時期を前に、
さらに突っ込んだ話を展開していきたいと思います。
というわけで、このテーマについてのご意見・ご質問を募集中!
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