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2007年11月28日
「人間は人くさい?」「犬はフレーメン反応しないの?」などなど、読者からの質問にお答えします☆
皆さんから寄せられた質問にアニコムパフェがお答えする番外編・第2弾。
対談でお答えし切れなかった、対談後に届いた質問に、富士丸参加でお答えしていきます。
【におい】
富士丸はしばらく洗わないと獣臭くなると、父ちゃんが言っていましたが、ウチの屋外犬わんは、しばらく洗わないと獣臭くなり、もっと洗わないと雑巾(ぞうきん)臭くなります。犬は人よりもずっと嗅覚が鋭敏ですが、自分のにおいは気にならないのでしょうか。
また、においに慣れてしまった状態だと、においをかぎ分ける能力が落ちたりしないのでしょうか?
犬は人の100万倍から1億倍ものにおいを感知できるといわれ、ある特定のにおいだけかぎ分けるという能力も優れています。また、かぎ分けたにおいを選別し、記憶する能力にもたけ、この能力を訓練し、さらに鋭敏なものにして、人のために役立てているのが警察犬や災害救助犬です。
自分のにおいであれば、恐らくそれが気になって嗅覚が衰えてしまうことはないかと思いますが、ただ、汚れからくるにおいは、やはり衛生的にもよくないかと思います。また、体調不良により、体臭が変わることもありますので、においを含めた変化にはいつも気をつけて、身体もできるだけ清潔に保てるようにしてあげてください。
人間も他のどうぶつからは「人間のにおいだな」「人間くさい」と思われていますか?
嗅覚(きゅうかく)が人よりも優れているといわれるどうぶつは、「人間のにおい」はもちろん、それぞれ個人のにおいもかぎ分けられると考えられています。
犬はよく自分でおならをしてびっくりしていますが、どうしてでしょう?
おならの原因の多くは飲み込まれた空気で、それ以外は腸内細菌の発酵によってつくられるものです。食べ物の具合や体調によって、おならが出やすくなったり、腸で異常な発酵が起こると、においの強いおならが出たりします。
とくに食べ物をよくかまず慌てて飲み込んでしまうようなときや興奮や運動のあとは、飲み込む空気の割合は大きいと考えられます。いつもはそれほど出ないおならや、いつもと違うおならが出ると、犬もびっくりするかもしれません。
おならは健康のバロメーター。回数やにおいには気をつけてあげてください。
こんなにおいがしたら要注意(病気の兆候)というものはありますか?
正常な犬の身体のにおいは、あまり強いものではありません。身体から犬特有のにおいをわずかに感じるという程度が健康的なにおいといえます。
においの多くは、雑菌から発生するものですから、強い気になるにおいを感じたときは、衛生面も含め、全身の健康チェックが必要です。
強いにおいで疑われるものとしては、外耳炎、口内炎、歯肉炎、胃炎、皮膚炎、膿(うみ)、糖尿病、肛門腺炎などが考えられます。においが気になったら、まずホームドクターに相談してください。
室内のトイレシートのおしっこやウンチのにおいは人間が気になるところですが、そのにおいを消すために、消臭剤やルームコロンのようなものを使っています。どうぶつにとって人工的な香りはどのように感じているのでしょうか?
嗅覚の鋭いどうぶつにとっては、人工的な香りはよいものばかりとはいえないようです。テリトリー意識の強いどうぶつは、場合によっては、そのにおいの上から自分のにおいをつけようと、かえってマーキングをすることもあります。わが子の状況をよく観察して、双方のストレスが少ない方法を見つけましょう。
犬と暮らす人や好きな方は、それほどにおいを気にしないかもしれませんが、嫌いな方にとっては、気になる場合もあると思います。犬と公共の場に出かける人も増えていますが、どの程度までにおいを消すケアをするのがよいでしょうか?
健康状態がよければ、あまり強いにおいはしないと思われますが、公共の場に出かけるときは、どんな子であっても事前にシャンプーやブラッシング、排泄を済ますなど、最低限の衛生面での配慮をしていただければと思います。
また、とくに犬の身体からにおいが立ち上りやすい場所は、肛門腺、耳、口、皮膚(ひふ)、生殖器です。強いにおいが出ていないか、清潔か、必ずチェックしましょう。
また、発情期の女の子は要注意です。においはかなり広範囲に広がるため、お出かけ先でケンカに巻き込まれたり、他の犬のケンカを誘発してしまう可能性があります。発情期や体調不良のときは、できるだけ外出を控えるようにするのもマナーです。
散歩の際の電柱や草むらのにおいかぎ……できればやらないでほしいのですが、 少しはかがせてあげたほうがいいという話も聞きます。その辺はどうなのでしょうか? やはり、できるだけ止めたほうがいいのでしょうか。
散歩での電柱や草むらのにおいかぎは、ほとんどの犬でみられる仕草ですね。かがせたほうがよい、やめさせるのがよいというより、これは本能的な正常な行動の1つで、犬はにおいからたくさんの大切な情報を得ているのです。
例えば、草むらについた、あるいは空気中にただよう他の犬のにおいをかぐことで、自分の散歩ルートを、いつどんな犬が通ったか、男の子か女の子か、年齢は? 強いかどうか、その犬のテリトリーはどこかなど多くの情報を得ています。
場合によっては、その相手のにおいの上から排泄する(マーキングをする)こともあり、これは、相手の情報を受け取り、それに返事をしているのです。
猫はくさいにおいをかぐと「フレーメン反応」をしますが、犬にはそのような反応はないのですか?
「フレーメン反応」とは、猫や馬があるにおいをかいだとき、鼻にシワを寄せて、口を半開きにする現象のこと。鼻腔後方にある鋤鼻器(じょびき *ヤコブセン器官とも言われる)で性フェロモンを認識したときに起こると考えられています。
犬にも鋤鼻器はありますが、フレーメン反応は見られず、鋤鼻器の中ににおいの受容体が発見されていないことから、犬の鋤鼻器は機能していないのではないかといわれているようです。
【その他】
犬は人間同様、鼻と口両方で呼吸できますか? 暑い日はハァハァとしんどそうです。犬も腹式呼吸ができるとずいぶん楽なのにと、いつもわが家の老犬を見て思います。
犬も人と同じように鼻と口の両方で呼吸ができます。ただ、犬の場合、体温の調節のために、口を開けてハァハァとあえいでいるような呼吸をして、舌や口の粘膜から熱を発散させているのです。大変そうに見えますが、人と違って汗腺が少ない犬にとっては、これが大切な呼吸方法です。この開口呼吸がうまくできなかったり、長く続きすぎてしまったりすると、体温がさらに上昇して呼吸だけでは体温調節がうまくいかずに熱中症になってしまいます。この体温調節機能は年をとるにつれて衰えていきます。とくに老齢犬は呼吸の様子を見ながら温度変化に気を配り、適温に調整してあげるようにしましょう。
わが家のハスキー犬は夏バテでご飯を食べないときでも、セミだけは食べました。
期間限定、夏の珍味とは思うのですが、セミはおいしいのでしょうか?
ハスキー犬はセミが好きなのでしょうか? セミをたくさん食べても大丈夫なのでしょうか?
人間にも、たんぱく質豊富なイナゴや蜂の子、セミなどの昆虫(こんちゅう)を料理して食べる食文化がありますが、犬でもハスキー犬に限らず、セミなどの昆虫を食べる犬は少なくないようです。
ただ、日頃食べていないものを食べて消化不良などを起こす、あるいは昆虫がたまたま有害なものを浴びている場合、病気になる可能性もあります。また、口腔内をケガすることも考えられますので、食べないように注意されるほうが安心かと思います。
今年を締めくくる12月のテーマは「水とカラダのめぐり」。来月もお楽しみに!
2007年11月14日
人類にひとつの血液型しかなかったら……大変だ!
穴澤:ボクの親父って、O型なんですよ。で、母親がAB型なんですが、ボクって何型なんでしょう?
藤田:知らないの(笑)?
穴澤:ハイ。もちろん検査したことはあるんですけど、全く血液型に興味がなかったので、何型って言われたか覚えてないんです(笑)。
藤田:珍しい人だね(笑)。お父さんがO型でお母さんがAB型なら、A型かB型しか生まれませんよ。
穴澤:じゃあ、A型かなぁ。
藤田:血液型には、「表現型」と「遺伝型」っていうのがあってね、「表現型」というのは文字どおりそのまま血液型物質そのものの型で、「遺伝型」というのは「表現型」がどのような組み合わせでできているかを理論的に考えたときのことをいうんです。
穴澤:あ、知ってます。「AA」とか「AO」とかいうやつでしょう?
藤田:そう。遺伝型でいうと、A型には「AA」と「AO」があり、B型も「BB」と「BO」、O型の場合は「OO」しかなくて、AB型も「AB」だけです。それぞれ両親からひとつずつ引き継ぐので、O型とAB型の間には「AO」と「BO」しか生まれないというわけです。
穴澤:じゃ、やっぱりボクはA型ですね。周囲に気を使うし、几帳面だし、何事にも慎重だし。なっ、富士丸?
藤田:自分でよく言うね(笑)。
穴澤:でも、ちょっと不思議なんですけど、血液型での相性とかよく言うじゃないですか。
藤田:言われてますね。
穴澤:科学的根拠がないにしても、ひょっとしたら相性あるかもしれませんね。だって、さっきの遺伝型の話でいえば、本当にランダムに結婚していたとしたら、どれかの血液型に偏ってもよさそうなもんじゃないですか。
藤田:そうだね。日本で一番多いのがA型とO型だし、A型とO型が結婚すると、A型かO型しか生まれないわけだから確率的にいえば、どんどんA型とO型の割合が増えるわけだしね。
穴澤:A型とA型でもO型が生まれる可能性があるじゃないですか。B型とB型でもO型が生まれる可能性があるし。そんでO型とO型だとO型しか生まれないでしょ? なら、O型がもっと増えてもおかしくないじゃないですか。なのに、日本人の血液型の割合って、わりとずーっと同じでしょ?
藤田:そうだよね。いいところに気がつくね(笑)。そういえば、O型とO型の夫婦ってあんまり聞かないしね。周りの知り合いでいる?
穴澤:いないですね(笑)。やっぱり血液型の相性って、ある程度あるんでしょうか。
藤田:あるかもしれないねぇ。今度ちゃんと調べてみないと。
穴澤:そういう面でも血液型と性格って、何らかの関係があるのかもしれないとなってきますね。
藤田:うん。どうしてスポーツ選手にO型とB型ばかりなのかとか。
穴澤:そうなんですか?
藤田:そうですよ。野球選手では松井秀喜選手も松坂大輔選手もO型、イチロー選手と上原浩治選手がB型、サッカーでは中田英寿選手と小野伸二選手がO型、そのほか、柔道でもアテネオリンピックで活躍したほとんどの選手がO型かB型なんです。
穴澤:たまたまじゃないんですか(笑)。
藤田:こんなデータもあるんですよ。1996年にプロ野球で本塁打を打ったバッターのトップ10は、ひとりを除いてすべてO型かB型でしたし、安打のトップ10もO型とB型がほとんどです。打点部門ではトップ10全員がO型かB型だったし。
穴澤:へぇ、それは興味深いデータですね。
藤田:ほかにもバラエティー番組で司会を務める人にもO型とB型が多いんです。所ジョージさん、タモリさん、ビートたけしさんがO型、明石屋さんまさんがB型というように。
穴澤:なんなんでしょう。比率的には、一番多いA型がもっといてもいいのに。
藤田:A型はニュースキャスターに多いんです。筑紫哲也さん、森本毅郎さん、安藤優子さんがA型、古館伊知郎さんはAB型、ということです。
穴澤:富士丸は何してるんでしょう(笑)。それにしても、やっぱり血液型と性格って、多少は関係あるんでしょうか。何だかそう思わせるデータですよね。
藤田:日本人とその血液型の割合から考えると、ちょっと変な結果ですよね。
穴澤:やっぱり、病気のかかりやすさや免疫力の差で多少違ってくるんでしょうか。世界的に見て、血液型の分布の違いってどうなんでしょう。
藤田:私は、現在のホモ・サピエンスがアフリカで誕生したときは、全員O型だったんではないかと考えているんですよ。なぜなら、世界の先住民族といわれる民族は、ほとんどがO型だからです。
穴澤:そうなんですか?
藤田:そうですよ。で、世界各地に広がっていくに従って、食料がなくなってアジア大陸に移動して穀物を栽培するようになったグループは、食生活が変わったために腸内細菌も変わってA型が出現した。一方、ヒマラヤ山脈に移動したグループは、家畜の肉と乳製品を食料にしていたため、B型が出現したのではないかと考えています。
穴澤:AB型は、どうやって生まれたんですか?
藤田:AB型は一番新しい血液型なんですよ。1000年から1200年ほど前にはなかったのではないかと考えられています。その証拠に西暦900年以前の墓からはAB型の人間は見つかっていませんから。恐らく、大移動を繰り返しているなかで混血が誕生したんでしょう。
穴澤:そうやって、全世界に血液型が広がっていったんですね。
藤田:また、人類の歴史は伝染病との闘いでもあるんです。これまで人類を滅亡寸前にまで追いやった伝染病は、ペスト、コレラ、梅毒、天然痘(てんねんとう)、マラリアなど。それらの病気と闘ってきた歴史でもあるんです。
穴澤:前回、それらの病気と血液型も関係があるというお話でしたよね。
藤田:えぇ。ペストやコレラが流行った地域では、O型の割合が極端に少ないですし、梅毒の流行った地域ではO型の人が突出して多い、ということになっています。
穴澤:逆にいうと、人類にひとつの血液型しかなかったら、滅亡していたかもしれないということですよね。
藤田:可能性は否定できませんね。
穴澤:そういう意味でいうと、血液型が分かれているのは人類が生き残るために必要なことだったのかもしれませんね。と、なんだか今月はものすごく真面目な話をしていた気がします。これでいいんでしょうか(笑)。
藤田:大丈夫(笑)。皆さんにも血液型についてちょっと考えてもらえる機会になったかもしれないんですから。
穴澤:そうですね。ありがとうございました。
肺炎になると血液型が変わることがあるって聞いたことが……
穴澤:さて、血液と血液型の3回めです。血液型性格判断ってよく言いますけど、こんなに騒いでるのって日本ぐらいなんでしょう?
藤田:そうですね。ただ、それは日本人にABO型が比較的まんべんなくいることも関係していると思うんですよ。
穴澤:A型が一番多いんですよね。
藤田:そう。日本人の血液型の割合は多い順からA型が38.1%、O型が30.7%、B型が22.8%、AB型9.4%というように、大まかにいうと4:3:2:1なんです。
穴澤:アメリカなんかはどうなんですか?
藤田:アメリカの白人はO型が約45%、A型が約41%、B型が約10%で、AB型は約4%しかいません。日本と血液型の割合がよく似ているのは、ネパールとハンガリーですね。
穴澤:でも割合は違うにせよ、一応まぁ、全部の血液型の人がいるわけだから性格との関係について、多少は語られてもいいように思うんですけどね。逆に言うと、日本人はなぜこれほど血液型と性格の話が好きなんでしょうね。
藤田:海外でもなくはなかったんですよ。たとえば、その昔ドイツでは「知識人にはA型が多く、犯罪者にはB型が多い」なんていう論文が発表されたりして。B型が少ない白人の優位を示すために利用されたり。
穴澤:あぁ、差別的に使われた歴史はあるんですね。
藤田:日本でも古くから何度か血液型ブームみたいなものはあったんですが、現在学者が血液型と性格の関連性について語るのはタブーとされていますね。
穴澤:それはまた、どうしてですか?
藤田:血液型で人に「烙印(らくいん)」を押してしまうような風潮になるからでしょう。「O型は大ざっぱだ」とか、「B型は自己チューだ」とかいうように。
穴澤:あぁ、そういうこと言う人いますよね(笑)。
藤田:何でもホドホドをしらない日本人はやりすぎてしまうんです。バラエティー番組でも、じゃんじゃん取り上げたりして。その結果、学校や職場で血液型を理由にいじめが出てきたりしたんです。
穴澤:そういえば、最近バラエティー番組でも血液型の話はあんまりしませんよね。
藤田:差別やいじめにつながるという苦情が押し寄せてくるからですよ。とくに我々学者が血液型と性格について語るのは本当にタブーですよ。もうだれも言いません。何かを言っていたとしても、偉くなった途端に言わなくなる(笑)。
穴澤:そうなんですか(笑)。
藤田:もう歴然としてますよ、そのあたりは。とにかく今、学者で血液型と性格の関連性について語る人はいないと思いますよ。
穴澤:教授、『パラサイト式血液型診断』って本、出してたじゃないですか(笑)。
藤田:私は言いますよ(笑)。もちろん、差別がよくないのは当たり前だし、そんなことするつもりはないですけど、何でもタブー視していてばかりでは、血液型といろいろな病気の関係の研究も進まない。
穴澤:なるほど。
藤田:それにね、多くの学者が「血液型と性格について関連があるとは思えない」と言っていますが、病気と血液型という視点から研究をしていくと、また違った見方ができるわけです。
穴澤:病気と血液型、ですか?
藤田:血液型によって、かかりやすい病気とそうでない病気があるということですよ。
穴澤:え? そうなんですか?
藤田:細菌にも血液型物質があることは、前回話したとおりです。たとえば、肺炎ですが、肺炎球菌はB型物質を多量にもっています。B型の人は抗B抗体をもっていませんから、B型物質をもった細菌に対して抵抗力がありません。だから、B型の人は肺炎にかかりやすく、かつ重症化することが多いんです。
穴澤:あ、それ、聞いたことがあります。A型の人が肺炎にかかると、一時的に血液型が変わることがあるんですよね?
藤田:ありますよ。A型の人も全く肺炎にならないわけではないので、肺炎が重くなると、一時的に血液型がAB型に変わってしまうことがあります。
穴澤:それって、変わったら変わりっぱなしなんですか?
藤田:いえいえ、それはあくまで一過性の現象なので、肺炎がすっかり治れば本来の血液型に戻りますよ。
穴澤:血液型によって、かかりやすい病気なんてあるんですねぇ。驚きです。
藤田:逆に血液型によっては、感染しにくく、重症化もしにくいという病気もありますよ。たとえば、梅毒。O型の人は梅毒に比較的かかりにくいんです。O型の人と比べて、O型以外の人の梅毒感染率は1.7倍にもなりますから。
穴澤:ほかにはどんなデータがあるんですか?
藤田:O型は結核にも強くて、逆にかかりやすいのがB型、次いでA型。
穴澤:O型って強いんですね。
藤田:O型の人が弱い病気もありますよ。ペストやコレラにはO型が一番かかりやすいんですよ。逆にペストに強いのがA型、コレラに強いのはAB型というように傾向があるんです。
穴澤:B型って、どれにも強いって出てこないんですけど(笑)。
藤田:そんなことないですよ。B型は天然痘(てんねんとう)には強いですし。こんなふうに、私たちの体は血液型物質によって、免疫力の差が致命的に決められているんです。血液型物質の抗原量*が最も多いO型の人が免疫力が最も強く、B型がそれに次いでるんですよ。
*抗原:身体の中に入ると、抗体を作らせる原因となる物質のこと。
穴澤:血液型によって、免疫力の差ってあるんですね。
藤田:ありますよ。もちろん、それだけで免疫力が決まるわけではないですが、もっているポテンシャルという意味では差はありますね。そういう意味でも、血液型と性格は、多少関係しているんではないかと、私は考えているんですよ。
穴澤:免疫力とかかりやすい病気と、性格ということですよね。
藤田:そう、たとえばO型の人は梅毒や感染病に比較的強いので、人と接するのも恐れず、どんどんいける。いっぽう、A型の人は感染症ばかりでなく、がんや糖尿病、心筋梗塞(こうそく)なんかもになりやすいので、周囲に気を使うでしょうし、比較的何事にも慎重な性格になったんではないかと私は推測してるわけです。
穴澤:それはおもしろい説ですね(笑)。自分では知らないうちに、経験としてそういう性格になっていったということですよね。
藤田:もちろん、育った環境や家族構成なんかも関係して人間の性格というのは形成されていくわけですけど、前提のところで多少そういうことはあるんではないかと思うわけです。
穴澤:なるほどぉ。今回は富士丸のことを忘れるくらいハイテンポで話が進みました(笑)。では、次回はもうちょっと血液型と性格について、詳しくお話を聞かせてください。
2007年11月07日
大根にも豚にも血液型が! 血液型はどうやってできたんだ?
穴澤:前回は血液そのものについてお話してもらいましたが、血液には血液型ってあるじゃないですか。そもそも血液型って、何なんですか?
藤田:赤血球の表面にはフコース、ガラクトース、N-アセチルガラクトサミンなどの糖がいくつも連なっているんです。血液型の違いは、それらの糖の化合物の並び方の違いによって生まれるんですよ。
穴澤:物質の名前が全然覚えられません(笑)。でも、血液型って、もの凄い細かいところで決まってるんですね。それって、だれが発見したんですか?
藤田:現在、最もポピュラーなABO血液型物質が発表されたのは1901年で、オーストリアの医学者カール・ラントシュタイナーという学者によって報告されたんです。彼は同僚や先輩6名の血液を採取して、混ぜ合わせる実験をしたんです。その結果、組み合わせによって血液の凝集が起こったり起こらなかったりということから、血液にはA型、B型、O型(当初はC型という名称)という3つの血液型があることを発見したんですよ。
穴澤:AB型がないですね?
藤田:その6名の中にAB型の人がいなかったんですよ。でも、翌年にはそれも見つかって、血液型には4つのタイプがあるということがわかったんですよ。
穴澤:でも、血液型ってABO式だけじゃないですよね?
藤田:えぇ。Rh式、P式、MN式、ルイス式など9種類ぐらいありますよ。
穴澤:どうしてABO式が一番ポピュラーなんですか?
藤田:うーん、それは一番古くて、一番生物界に多くあるからでしょうね。それこそ植物から動物まであるから。
穴澤:前回聞いてびっくりしたけど、やっぱり驚きです!
藤田:植物はね、血液はないけど血液型物質はもってるんですよ。大根はO型だったり。
穴澤:大根はO型なんですか!!(笑)
藤田:あと、豚はみんなA型だしね。もっと言うと、細菌も血液型物質をもっている。細菌は約30億年前には存在していたことが化石で確認されていますが、細菌も血液型物質をもっているんです。
穴澤:細菌もかぁ!
藤田:腸内細菌も種類によって、A型物質、B型物質、O型物質と異なる血液型物質をもっているんです。それが私たちの体の中に入り込み、トランスフェクション(遺伝子導入)を起こした結果、人間にも血液型ができたんですよ。
穴澤:犬は何型なんですか? 富士丸は何型なんだろ。
藤田:犬はABO式ではないですが、日本では9種類の血液型に分けられていますね。
穴澤:9種類もあったら、輸血のとき困りますよね。
藤田:私は専門ではありませんが、犬や猫の場合は、輸血する血液と輸血される側の血液が合うかどうか調べるクロスマッチという事前検査で大丈夫であれば、血液型が違っても輸血は可能だそうですね。
穴澤:なるほどぉ。で、ここでちょっと疑問なんですけどね。たとえば、人間の血と豚の血を、こう、コップにドボドボと入れても見た目はほとんど一緒ですよね?
藤田:まぁ、見た目は一緒ですよ。
穴澤:そこでA型の豚の血だったら、A型の人には輸血できないんですか?
藤田:できませんよ(笑)。それは血液型が同じでも全くモノが違うから。
穴澤:それは、種が違うということですよね。じゃあ、チンパンジーとヒトのDNAって99%同じだっていいますけど、それでも輸血できないんですか?
藤田:できませんよ。いくら99%DNAが同じでも、やっぱり種が違いますから。混血ができないというのは、そういうことですよ。
穴澤:あぁ、なるほど。では、同じヒト同士でも血液型が違うと輸血できないというのはどういうことなんでしょう?
藤田:さっき話したように、ABOは赤血球表面の糖の化合物(糖鎖)の並び方で分かれます。A型の人はA型の糖鎖、B型の人にはB型の糖鎖、A型B型両方の糖鎖を持っているのがAB型というように。
穴澤:O型は?
藤田:O型はA型、B型どちらも持っていません。いうなれば、O型が基本なんです。別のいい方をすると、O型にほんの少し違ったタンパク質がくっついたのが、それぞれA型とB型、そのどちらも持っているのがAB型というわけです。
穴澤:なるほど。
藤田:「免疫力とアレルギー 第1回」に「抗体」という言葉が出てきましたが、血液型が違うと輸血ができないのには、この抗体が関係してくるんです。A型の人は抗B抗体はつくりますが、抗A抗体をつくりません。逆に、B型の人は抗A抗体はつくりますが、抗B抗体をつくりません。自分を攻撃しちゃうのでね。だから、AB型の人はどちらの抗体もつくらず、O型の人は抗A抗体、抗B抗体の両方をつくるのです。
穴澤:わかりました! A型の人に違う血液型を輸血すると、体の中で戦争になっちゃうからダメなんですね。
藤田:よくできました(笑)。簡単に言うと、そういうことです。ただ、現在は血液型だけじゃなくて、場合によってはもっと精密に検査してから輸血することもありますけどね。
穴澤:ところで、血液型と性格って、やっぱり関係があるんでしょうかね?
藤田:私はね、血液型と性格については、ある程度関係性があると思っているんですよ。そこには病気に関係してくるんですけど。
穴澤:病気と血液型ですか? なかなか興味深いお話ですね(笑)。では、次回はそのあたりを詳しく聞かせてください。
【疑問・質問 募集中!】
12月のテーマは「水とカラダのめぐり」
日々の飲み水からカラダを洗う水まで、人間も犬も生きものすべてにとって、水は生きていくうえで不可欠な物質。そんな水の選び方や使い方、自分について、わが子について、気になっていること、気をつけていることを教えてください。富士丸と父ちゃんへの質問もお待ちしています!
右上の「連載へのご意見・ご要望はこちら」に、どしどしお寄せください!
2007年11月01日
貧血は鉄不足っていうけど、鉄じゃなく銅のヤツもいるんだ!
穴澤:さて、今月の「元気丸で行こう!」のテーマは「血液と血液型」です。早速ですが、血液って全身に酸素を運ぶモノですよね。
藤田:酸素だけじゃないですよ。そのほかにも栄養素やビタミン、二酸化炭素や老廃物も運んでいますよ。
穴澤:血って、どうして赤いんですか?
藤田:赤いのは赤血球の中にあるヘモグロビンの色なんですよ。そのヘモグロビンが酸素を運ぶ働きをしてるんです。血液の中にはほかにも、白血球や血小板、それから液状の血しょうといわれる成分が含まれているんですよ。
穴澤:人間の水分量って、全体重の約60%ぐらいなんですよね?
藤田:新生児で約80%、成人でだいたい60%。で、年をとってくると、50%ぐらいになったりしますね。
穴澤:それ全部が血液じゃないですよね?
藤田:私たちの血液量っていうのは、だいたい体重の8%ぐらいですね。もちろん個人差はありますが、体重60キロの人なら4.8リットルってところでしょうか。
穴澤:意外に少ないですね! それ以外は、リンパ液だったり組織液*だったりするわけですね。
*組織液:どうぶつの組織の細胞の間を満たす液体成分。
藤田:そう。リンパ液はリンパ管っていう管の中を流れています。リンパ液は体内に取り込まれた細菌やウイルスを運んで、リンパ節っていう関所で免疫細胞がそいつらを攻撃したりもする。大事な役目をしてるんですよ。
穴澤:血液って、どのぐらい出血したら死ぬんですか(笑)?
藤田:いきなり変なこと聞くね(笑)。一般的には、体内の15%以内だったら大丈夫っていわれてるけどね。
穴澤:そうなんだ、気をつけよう(笑)。な、富士丸。あとね、血液って骨髄*で作られているんですよね? 血液が減ったら、またそこで作るってことなんですよね?
*骨髄:骨の内側の空洞を満たしている柔らかい組織。赤血球・白血球・血小板をつくる。
藤田:たとえば、200cc献血したら2、3週間、400cc献血すると3、4週間で元通りの量まで回復するといわれてますよ。
穴澤:献血しなかったとして、それでも血って減っていくもんなんですか?
藤田:減りますよ。血液にも寿命がありますから。
穴澤:寿命を迎えた血液って、どうなるんですか?
藤田:脾臓(ひぞう)*で処理されて、おしっこやウンチと一緒に外へ出るんですよ。
*脾臓:胃の左側にあるリンパ系の臓器。リンパ球の生成や老朽した赤血球の破壊、血液の貯留などを行う。
穴澤:へぇ、血液も絶えず入れ替わってるんですね。よく人間の細胞って約60日で入れ替わるっていうじゃないですか。血液はどれぐらいなんですか?
藤田:体の細胞が入れ替わるっていっても場所によって違いますよ。脳みたいになかなか再生しないところとか、肝臓みたいに半分以上やられても、わりと早く再生するところとか。皮膚(ひふ)の細胞は28日でだいたい入れ替わるしね。
穴澤:皮膚ってそんなに早く入れ替わるんですか? 個人差なく?
藤田:もちろん個人差はあるんだけど、どうも調べてみると、だいたい28日ぐらいで入れ替わるみたいなんですよね。なぜか月経周期と同じなんです。
穴澤:皮膚が入れ替わるって、具体的にはどうなるんですか?
藤田:下からどんどん新しいのが出てきて、上にあるのがはがれるんですよ。それがアカになって落ちるんです。
穴澤:へー、知らなかった! で、血液の寿命って、どれぐらいなんでしょう?
藤田:人間で約120日といわれてますね。ネズミで60日、一番長いのがラクダの225日という資料がありますね。やっぱりラクダは砂漠など過酷な所にいるからでしょうか?
穴澤:ボクに聞かないでくださいよ(笑)。ちょっと話は戻りますけど、さっきの全体重における血液や組織液、リンパ液の割合って、富士丸でもボクでも、どうぶつって同じくらいなんでしょうか?
藤田:ほとんど同じでしょうね。高等動物になればなるほど。
穴澤:そこで疑問なんですが、下等動物から考えて、どのぐらいから赤い血液を持つようになるんですか?
藤田:すごいこと聞いてくるね(笑)。赤いのはヘモグロビンの色*なんだけど、ヘモグロビンを持っていない生き物もいますからねぇ。
*ヘモグロビンの色:酸素と結びついたときは鮮やかな赤、放したときは黒っぽい赤紫色になる。
穴澤:ヘモグロビンがないとしたら、その生き物はどうやって酸素を運んでいるんですか?
藤田:ヘモグロビンって、要は鉄なんですよ。鉄が入ったたんぱく質なんです。高等動物になるとヘモグロビンという鉄が酸素を運ぶんだけど、生き物の中には銅で運ぶヤツらもいるんですよ。
穴澤:銅、ですか。
藤田:タコやイカなんかは酸素を運ぶのに、鉄じゃなく銅をもつヘモシアニンっていう物質を使っていますね。
穴澤:すると血は何色なんですか?
藤田:青ですが、実際は色が薄くて見えないですね。ほかにも鉄なんだけど、クロロクルオリンという物質で酸素を運んでいるケヤリムシなんかの血は緑だったりしますよ。
穴澤:あ、そういえば緑の血のヤツいますよね。子どもの頃に見たことあります。あれはヘモグロビンじゃないからなんだ!
藤田:そう、ヘモグロビンはとても効率よく酸素を全身に運ぶことができるので、これを使うようになった生き物が進化できたんじゃないかといわれてるんですけどね。
穴澤:いやー、酸素ひとつ運ぶのにも、いろいろ生き物は模索してきたわけですね。
藤田:ただしね、赤い血じゃなくても、血液型を示す血液型物質は、かなり下等な生物、それこそ細菌類まで持ってるんですよ。
穴澤:え? そうなんですか。人間以外の生き物にも血液型ってあるんですか?
藤田:ありますよ。それぞれの種で多少違いますけど、ほとんどみんな血液型物質を持っています。それこそ大根まで、植物もね。
穴澤:!!! では、次回は血液型について、詳しくお話を聞かせてください。

